「地球8個分」

 

 環境問題を訴える人たちが、いつも引用する基礎データのひとつに、世界人口がある。「1950年まで400万年かかって25億人になった人口が、その後わずか50年で60億人になった。このペースで進むと、2050年には89億人になる」というものだ。これらのデータは、レスター・ブラウン氏が率いるワールド・ウォッチ研究所の調査に拠るところが大きい。年次版の「地球白書」「地球環境データブック」を発行している有名な研究機関だ。
(写真 http://www.worldwatch.org/


 だけど、こうやって数字を並べられても、過疎化が進む一方の、自分の田舎のことなどを考えるとどうもピンとこない。そこを見越してか、ブラウン氏らは、こんな風に噛み砕いて説明することもある。「これだけの人数を地球は養うことができず、もし、現在の米国人並みの生活をしようとすれば、一人当たり10ha、80億人なら地球8個分も必要になる」。こういわれると、あの庭園付きのコロニアル風の邸宅も、ばかでかいリムジンもプールも、分厚いステーキも、ゲップの出そうなミルクセーキも、これからは永遠に手に入らないんだなぁ、と妙に納得してしまう。ウム、このまま環境・人口・資源の問題を見過ごしてはいかんのだ、と力んだりするのである。気づいた時は、自分も「グリーン派」に味方しているのだ。
米国人は、この手の説明やプレゼンテーションはウマイなぁ!

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