トムハンクス主演の映画「CAST AWAY」が、アカデミー賞ではかすりもしなかったけど、今も20代を中心に興行的には人気が続いているという。この映画のコンセプトは、ワーカホリックだったビジネスマンが、事故で南海の孤島に漂着し、サバイバルを図るというもの。あれ?これって、わが「ロビンソン」設立のきっかけとなった基本論文「2004年のロビンソンクルーソー」(1994年に雑誌『SAPIO』に掲載)に似てない? そうなのだ。違いは、主人公が日本人でないというとこだけじゃん。原作者はきっとこれをパクッたに違いない。著作権侵害で訴えてがっぽりふんだくらねばと、一時はヒートアップして、そう考えないこともなかった。

 でも、クールダウンして考えれば、パクリなんてことはまず、ない。映画「CAST AWAY」では、トムハンクスが宅配便FedEx の社員という設定になっていて、これがうまく生かされていたし、当たり前だけど、一人暮らしだから会話のない映画になるピンチを、「Mr. Wilson」を作り出したことで避けていた。それに、こういう「孤島漂流もの=ロビンソネード」は、W.デフォーの原作以来、昔から何度も繰り返しモチーフになってきたのだから、今さらコンセプトの類似を言い立てるものではない。そんなことしてたらテレビの「サバイバー」や「電波少年」まで訴えねばならないことになる。「ロビンソネード」は、ドラマの定型のひとつなのだ。それよりも、さっさと映画化できたトムハンクスと監督のロバートゼメキスのプロデュース力に、文句なしに拍手したいと思う。
 では、わが「ロビンソン」は、小説化や映画化の道はないのか、ということだが、マーケット的には今のところ無期延期するしかないだろうね。主人公が「日本人」であるという設定から引き出せるいろいろなプロットのアイデアは、闇に葬るには惜しいけど、きっと、まとめ直すチャンスはあるはず。それより、他にもあるいろんなアイデアを先に進めたいと思う。
※上記論文は、このホームページで読めます。

(写真はhttp://www.castawaymovie.com/より)